インドネシアのカカオ栽培とアグロフォレストリー

カカオと言えばアフリカのガーナを思い浮かんでくるでしょうが、インドネシアでもたくさんのカカオが栽培されています。カカオ栽培畑では、カカオの樹(写真の一番手前の薄緑の樹)だけではなくバナナ、ココヤシ(写真中で背の高い3本のうち両脇の樹)、パームヤシ、マンゴー(写真中で背の高い樹3本の中央の樹)など多数の種類の樹と一緒に栽培されています。森の多様性を上手に利用して化学肥料や農薬を使用しない環境にやさしい農業です。こうした農業方法は、アグロフォレストリー(アグリカルチャーは農業、フォレストは森林)と呼ばれています。ここでは、カカオ栽培に関してのアグロフォレストリーをご紹介して、そのすばらしさをご理解いただきたいと思います。

果樹を栽培するには、たくさんの肥料が必要です。森は大部分が常緑樹ですが、たくさんの落ち葉でいつも覆われています。落ち葉はカリウムやカルシウムなどのミネラルは豊富に含んでいますが、窒素やりんについては乏しいものです。窒素やりんをたくさん含んでいるものは、家畜の糞です。インドネシアでは、山羊を飼ってその糞を肥料に用いています。山羊の糞は小さな粒状で水分も少なく肥料として散布するのが楽だからです。

山羊を飼育するには、たくさんの餌が必要です。その山羊の餌となる樹木も畑で栽培しています。その代表的な樹がモリンガ(写真奥の方にある背の高い樹)です。この樹の葉にはたくさんの栄養成分が含まれており、超有用樹と呼ばれています。例えば、ビタミンCはオレンジの7倍、ビタミンAはニンジンの4倍、たんぱく質はヨーグルトの2倍、カルシウムは牛乳の4倍、カリウムはバナナの3倍となっています。もちろん、食用も可能ですでに栄養食品としても利用されており、通販での販売もあります。また、モリンガの樹の成長速度はとても大きく、二酸化炭素の吸収量は杉の50倍と言われています。

カカオマスができるまで

チョコレートの原料となるカカオマスが造られる工程を簡単ですが、ご紹介します。

 カカオの実は、フットボールの形に似ていて、大きさはフットボールの四分の一くらいです。この実の中には種のようなものがたくさん入っています。これを取り出してバナナの葉に包んで発酵させます。

発酵させた後の豆の中には、カカオニブと呼ばれる小さな粒がたくさん入っています。これを焙煎後加熱しながらすりつ潰したものがカカオマスです。カカオマスは熱いうちは液状ですが、冷えると固まります。

ジンジャーココアのご紹介

現在輸入準備中のジンジャーココアは、これまで説明しましたカカオマスとインドネシア特産の赤生姜、パームシュガーだけを使ったものです。

この製品は、インドネシアのスラヴェシ島で地元産のカカオマス、赤生姜、パームシュガーを使ったものです。加工は、cahaya duta palili(palili村の光の使者)という名称の農業研修センター(P4S)で行われています。働いている人は主に女性で、センターは女性の自立支援を行っています。

健康志向の原材料

ジンジャーココアに使われている砂糖は、パームヤシから採られたものです。

パームヤシの樹です。手前にある背の低い樹はカカオです。